栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
殺菌発酵乳投与のマウスの寿命, 腸内菌叢におよぼす影響について (予報)
荒井 幸一郎室田 一也早川 邦彦片岡 元行光岡 知足
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1980 年 33 巻 4 号 p. 219-223

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抄録
殺菌発酵乳の保健効果を検討するため, 1群90匹の雌マウスを用い, 基礎飼料, 殺菌発酵乳14%添加飼料または全脂粉乳1.6%添加飼料を与え寿命および腸内菌叢の構成におよぼす影響について検討したところ, 次のような結果を得た。
1. 平均寿命は非投与対照群84.9±18.9週齢, 全乳投与群84.4±17.4週齢, 殺菌発酵乳投与群91.8±20.0週齢であり対照群と殺菌発酵乳投与群との間にはp<0.05で, また全乳群と殺菌発酵乳群間にはp<0.01でそれぞれ有意差が認められ, 殺菌発酵乳投与群がもっとも長寿命であった。
2. 腸内菌叢についてみると, 各飼料群ともBifido-bacteriumとStaphylococcusの菌数が加齢とともに減少する傾向がみられ, さらに殺菌発酵乳投与群では, 非投与群にくらべBifidobacteriumの菌数は10倍高く, 加齢にともなう減少傾向も他群にくらべゆるやかであった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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