1) 日本梨摘果果実のたん白質は, 微アルカリ性のpH領域では抽出されにくく, 界面活性剤を加えることにより, その抽出量を増加させることができた. この場合の界面活性剤としては, HLB値の比較的高いものが望ましく, 食品添加物として認められているものとしては, ソルビタン・モノラウレートがよい結果を示した。
2) 界面活性剤を加えて抽出したたん白質は, 溶液のpHを酸性に調整した後に, 同容のアルコールを添加することにより, ほぼその全量を沈でんさせることができた。
3) 抽出たん白質のアミノ酸組成は, 含硫アミノ酸の含量がわずかに低いことを除けば, 他の必須アミノ酸のバランスもよく, E/T比も高いので, 良質なたん白質と考えられた。