栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
黒緑豆カルボキシペプチダーゼの精製とその諸性質
四十九院 成子福場 博保
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1982 年 35 巻 3 号 p. 201-206

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抄録

6日間暗所発芽させた黒緑豆種子よりCPaseを精製し, その酵素化学的性質を検討した。
1) 粗酵素液を硫安分画 (30~70%), Sephadex G-150ゲルろ過, DEAE-Sepharoseクロマトグラフィー, SephadexG-150再ゲルろ過, DBAE-Sepharose再クロマトグラフィーおよびTOYOPEARL HW-50Fゲルろ過を行なうことにより, ディスク電気泳動的に均一なCP-ase標品を単離した。収率は7.8%であり比活性の上昇率は110倍であった。ゲルろ過法による分子量は約7万と推定された。
2) 精製CPaseのZ-Phe-Ala水解時における至適pHは6.0, 至適温度は50℃であった。室温2時間放置時の安定pH領域は5~8であり, 10分間熱処理時の耐熱性は50℃までに認められた。Ag+, Hg++, Cu++などの重金属類およびDFP, PCMBによって阻害された。しかしEDTA, モノヨード酢酸, 2-MEによっては影響されず, 本CPaseがセリン酵素であると示唆された。
3) 本CPaseはpH 6.0でZ-Phe-Alaを最もよく水解し, この基質に対するKm値は1mMであった。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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