日本栄養・食糧学会誌
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ラット組織中金属濃度におよぼす鉄欠乏食と女性ホルモン剤の影響
鈴木 和春菅家 祐輔五島 孜郎
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1983 年 36 巻 4 号 p. 225-230

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抄録

鉄欠乏食下での生体内鉄 (Fe), 銅 (Cu), 亜鉛 (Zn), カルシウム (Ca), マグネシウム (Mg), ナトリウム (Na), カリウム (K) 含量に及ぼす経口避妊薬 (OCS) 投与の影響を調べるために, 雌ラットを用い2か月間飼育した。その結果は, 鉄欠乏食単独給餌により血中Hb値は極度に低下し, 脳を除く臓器中Fe濃度も減少した。さらに, 肝中Cu, 脾臓中Mg, K, 子宮Caの上昇と脾臓中Ca, Naの減少を示した。また, OCS剤の単独投与により肝臓Na, Caと脾臓Fe, 腎臓m, 脳Mgの上昇が見られ, 腎臓のFeの減少を見た。
鉄欠乏下でOCS剤を投与すると鉄欠乏により惹起された肝臓, 心臓, 脾臓のCa濃度変化が多少軽減されたが, それ以外に鉄欠乏性貧血単独の変化を変更する結果は得られなかった。

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