日本栄養・食糧学会誌
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加熱法による大根葉タンパク質の回収
坂井 和男福地 知行村上 篤司
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1984 年 37 巻 3 号 p. 277-282

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抄録

廃棄されている大根葉の有効利用法の一つとして, 大根葉から葉タンパク質 (LPC) を回収し, その栄養, 回収率, 色調について検討した。
1) 大根葉を破砕して, 繊維質を除いた緑色ジュースを作り, これから加熱法によって緑色のLPCを得た。
2) LPCのタンパク質含量は固型物換算で約72%であり, そのアミノ酸価も100と高い。
3) 原料大根葉に含まれるタンパク質量の約53%がLPCとして回収される。この回収率は, 原料大根葉のタンパク質含有率によらず, ほぼ一定である。
4) 大根葉の破砕を2度行なうことにより, タンパク質回収率は4%上昇する。また緑色ジュースのpHを5付近まで下げることによって, 回収率は3%上昇した。塩析効果は認められない。
5) 緑色ジュースのpHを7付近に調整することにより, 最も鮮明な緑色LPCが得られる。

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