日本栄養・食糧学会誌
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緑茶中の降圧活性成分の分離
伊村 祈年子明橋 八郎
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1984 年 37 巻 6 号 p. 535-540

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抄録

緑茶について, n-ヘキサン, ベンゼン, エーテル, クロロホルム, アセトン, エタノール, 60%エタノールおよび熱水を用いて順次還流抽出し, 各抽出液中のマンガンおよびカフェイン量を測定するとともに, ウサギ静脈内に投与し, 血圧に及ぼす影響も検討した。
1) エタノール, 60%エタノールおよび熱水抽出画分に降圧作用が認められたが, とくに熱水画分では, 20mg/kgの投与で35~45mmHgという顕著な, 比較的持続性のある降圧作用が検出された。
2) 上記の3画分をそれぞれ灰化後投与すると持続性のある降圧作用が消失した。
3) 熱水画分のゲル濾過分析および上記の結果から, 顕著で比較的持続性を有する降圧活性成分は, 260nm付近に強い吸収をもつ有機高分子物質と考えられる。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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