セルローを微細に叩解したMFCおよびMFC-糖混合物についてDFとしての物性を検討した。得られた結果は次のとおりである。
1) MFCは繊維径が0.1μm以下の微細な繊維の集合状態を呈していた。
2) MFCは原料パルプに比べ, 約200倍の表面積を有し, 細孔容積も著しく増加した。
3) MFCとDry-MFCの水中沈定体積は, 比較したDFの約20倍以上, 原料パルプに比べても約10倍であった。
4) MFCとDry-MFC-Xの保水性も比較したDFに比べて高く, Dry-MFC-Xの中では, ペクチンとキサンタンガムがとくに高い値を示した。
5) MFCおよびDry-MFC-Xは非常に高い粘性を示した。
以上のことから, MFCおよびその糖混合物は他の不溶性DFと比較して保水性や, 粘性においてすぐれており新しいDF素材としての可能性を有するものと推測した。