日本栄養・食糧学会誌
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黒緑豆タンパク質画分とその発芽過程における変化について
吉田 恵子四十九院 成子福場 博保
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1986 年 39 巻 5 号 p. 415-421

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抄録

黒緑豆の貯蔵タンパク質およびその発芽体のタンパク質について分析を試み以下のことが明らかとなった。
1) 黒緑豆の貯蔵タンパク質の主要なものはグロブリンであるがアルブミンもかなり存在しているのが特徴的である。
2) グロブリン, アルブミンのアミノ酸組成はグルタミン酸, アスパラギン酸が多くプロリン, メチオニン, システインは少なかった。
3) グロブリンを精製したところ, 分子量16万のもが主要なタンパク質であり, これは単一のタンパク質よりのなるのではなく3種のタンパク質より成りたってしる。
4) 豆の発芽体は日数とともにタンパク質含量が減少し, 可溶性窒素量および可溶性アミノ酸量が増加した。
5) 発牙体のタンパク質の変化をディスク電気泳動, SDS電気泳動で調べたところ主たるタンパク質の変化はほとんどみられなかったが, 他のタンパク質は分解されディスク電気泳動においては陽極側のバンドが減少し, SDS電気泳動においては低分子量のバンドが増加していた。
6) ゲルろ過, イオン交換クロマトグラフィーでその変化をおうと発芽にともない両者ともピークがはっきりせず幅広いピークとなり低分子量のペプチド, アミノ酸の増加が示唆された。

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