日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
中高年者の血清脂質と過酸化脂質の濃度におよぼす魚食の影響
小畠 義樹斎藤 衛郎黒田 圭一小林 修平印南 敏
著者情報
ジャーナル フリー

40 巻 (1987) 2 号 p. 103-110

詳細
PDFをダウンロード (1374K) 発行機関連絡先
抄録

健康な中高年 (42~58歳) のボランティア13名 (男性9名, 女性4名) に魚食 (220gサバ水煮缶詰1日1個を日常普通食へ補足) を1週間摂取させたときの血小板凝集能の変化, 血清中の過酸化脂質 (TBA値), α-トコフェロール, その他中性脂肪等の主要脂質濃度および血清総脂質中の脂肪酸組成を測定し, 日常普通食期および肉食期のそれらと比較した。魚食期においては血清総脂質の脂肪酸組成は魚油脂肪酸組成の影響を強く受け, C20: 5 (EPA), C22: 6 (DHA) の割合が増加し, EPA/AA (C20: 4) の比が高まった。ADPまたはコラーゲンによる血小板凝集能は魚食期と他の食期の間で差が見られなかった。魚食期の血清過酸化脂質濃度は他の食期に比べ明らかに上昇し, 同時にα-トコフェロール濃度は低下していた。また血清総脂質当たりのα-トコフェロール濃度も低下傾向を示した。血清中性脂肪とリン脂質の濃度は魚食期には他の食期に比べ, 明らかに低くなったが, 血清コレステロール濃度は各食期間に差が見られなかった。これらの結果から, 中高年者が魚食を摂取することにより血清脂質改善効果が得られることを確認したが, 体内に取り込まれた多価不飽和脂肪酸から過酸化脂質が体内で産生される可能性もあり, 血清α-トコフェロール濃度低下にもそれが関係しているのではないかと考えられた。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top