日本栄養・食糧学会誌
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タンパク質栄養研究におけるマウスの利用
中田 忍木村 利三
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1987 年 40 巻 2 号 p. 111-116

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抄録

タンパク質栄養評価の指標動物としてのマウス (雄性ddY系) の利用性を個別飼育 (1頭/ケージ) あるいは集団飼育 (6頭/ケージ) の条件で検討した。マウスによる飼料タンパク質含量の成長への効果ならびに食餌タンパク質およびアミノ酸の補足効果はラットの場合と同様に顕著に発現した。また, これらの効果は集団飼育より個別飼育条件下のマウスで明確に現われた。その個別飼育はマウス個体の飼料摂取量の計測を可能にし, その結果, 体重当たりの飼料摂取量はラットのそれの2倍であり, 他方, マウスにおける成長に対する至適飼料タンパク質含量はラットの場合のほぼ半分の値であることを示した。これらの実験結果から, マウスは個別飼育条件下で, タンパク質の栄養研究の指標動物として, ラットと同様に有用であることを示した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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