日本栄養・食糧学会誌
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無菌ラットならびに通常化ラットの消化管内容物のアミノ酸パターン
本間 千津子高橋 満里子亀高 正夫山中 聖敬
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1987 年 40 巻 5 号 p. 411-415

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抄録

市販CL-2飼料を摂取したGFラットの消化管内容物中のN化合物, 主としてアミノ酸パターンをCVラットのそれと比較し, 腸内フローラの有無による違いについて検討し, 次の結果を得た。
1) 小腸と盲腸内容物中のPN含量は, GFラットに比べ, CVラットのほうが高い値を示した。
2) 遊離アミノ酸は, 胃から小腸中部までGF, CV間でほとんど差はないが, 盲腸と結・直腸ではすべてのアミノ酸でGFラットのほうが有意に高い値を示した。3) アンモニアは, 全消化管内容物を通してCVラットのほうが高い値を示した。
4) 全構成アミノ酸は, 各部位においてGF, CV両ラット間で, ほとんど差がなかった。
これらのことから, 腸内フローラが宿主動物の消化管内容物の性状, とくに遊離アミノ酸のパターンおよびアンモニア濃度に関与している知見の一端が明らかにされた。

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