日本栄養・食糧学会誌
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高コレステロール血症ラットの脂質代謝に及ぼすn-3, n-6およびn-9系各脂肪酸含有油脂投与の影響
鄭 承〓滝田 聖親中村 カホル早川 享志福富 麻子西郷 光彦印南 敏
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1988 年 41 巻 4 号 p. 279-286

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抄録

高コレステロール血漿ラットに脂肪酸系列の異なる脂肪酸を含む油脂を投与した場合の血清脂質, 血清リポタンパク質バターンおよびリポタンパク質各画分の脂肪酸組成の変動を比較検討し次の結果を得た。
1) 血中TCはオリーブ油群に比して他の試験群で有意に低値を, HDL-Choはコーン油群のみが高値を示した。PLはn-3PUFA含量の高い魚油I群, 魚油II群およびペリラ油群が対照群に比して低値を, TGはコーン油群において最高値を示し, 魚油群で低値を示した。
2) リポタンパク質パターンにおいてはオリーブ油群に比して他の試験油脂群ではHDLの割合が大きく, VLDLの割合は少なかった。
3) 血清リポタンパク質各画分の脂肪酸パターンを見るとC18: 0以下の脂肪酸では各画分とも各群間で大きな差異を認めなかった。C18: 2以上のPUFAでは各画分とも各群間で差異を認め, 飼料油脂の脂肪酸組成を反映することを認めた。

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