1989 年 42 巻 3 号 p. 263-266
本研究では運動鍛練者および非鍛練者の絶食ならびに日常生活条件下における尿中総カルニチン排泄量の比較検討を行った。その結果,
1) 日常生活条件下における1日の尿中カルニチン排泄量は運動鍛練群のほうが非鍛練群よりも顕著に多かった。このことは, 体重, 身長および尿中クレアチニン当たりでも同様であった。
2) 絶食負荷により運動鍛練群の尿中カルニチン排泄量は増加する傾向にあったが, 非鍛練群では顕著な変動を示さなかった。
3) 絶食により尿中窒素排泄量はいずれも減少したが, その程度は非鍛練群で15%であるのに対して鍛練群では42%であった。