1989 年 42 巻 6 号 p. 417-423
EPAやDHAを豊富に含むサバ, イワシ, ヤツメウナギ油を1mmHgの減圧下, 280℃で水蒸気を通じつつ1時間脱臭処理した油を, おのおの10%の割合で飼料に混ぜ1週間マウスに摂取させると, 共通して体重増加の抑制, 血清GOT, GPTの上昇, さらに肝肥大と血清TGの低下が顕著に観察された。これらの生理活性を有する物質は, 油の調製条件から考えEPAやDHAなどのPUFAの幾何異性体, 二重結合の位置異性体あるいは環状単量体脂肪酸の可能性が考えられる。