日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
ビタミンE欠乏ラットにおけるブチオニンスルフォキシミン誘発性グルタチオン低下に伴う脂質過酸化と腎障害機構
萩原 清和岡 純小篠 栄市川 富夫
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 44 巻 5 号 p. 391-394

詳細
抄録

VE欠乏ラットのGSH低下による腎臓障害の発症機構解明のために, 過酸化脂質やリポフスチンおよび腎機能の変化を経日的に検討した。
1) BSO投与1日目でGSHは急激に減少し, またTBA値は経日的に低下した。一方, リポフスチン量はこれとは逆にBSO投与2日目に急激な上昇が認められた。
2) 血清BUN量とクレアチニン量はGSH低下に伴うリポフスチンの生成開始と同時に値が上昇したが, LDH活性はリポフスチンが大量生成したBSO投与2日目に細胞崩壊を表す高値を示した。
3) VE欠乏時に生成した過酸化脂質がGSH低下によりリポフスチンを生成し, 近位尿細管上皮細胞懐死を惹起したと推測された。
4) GSHは過酸化脂質からリポフスチンが産生するのを抑制することが示唆された。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top