日本栄養・食糧学会誌
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穀物外皮由来のヘミセルロースがラットの成長, 消化吸収率, 消化管通過時間に及ぼす影響
江頭 祐嘉合久保田 久奥田 恭久竹内 政保太田 冨貴雄綾野 雄幸
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1992 年 45 巻 1 号 p. 71-77

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抄録
1) ウィスター系雄ラット (体重45~60g) を用い, 基本飼料のショ糖の一部をRCBはDF 5%, CBH, WBHは各1%レベルで置換し28日間飼育した。各DF添加群の成長はいずれも良好であった。しかしCBH, WBHの両群では盲腸の肥大がそれぞれ著しかった。見かけの消化吸収率は, デンプンでは各群間に差はなく, タンパク質ではCBH群, WBH群, RCB群の順に有意に低い値を示し, 脂質ではRCB, CBHの両群が有意に低い値を示した。
2) 成熟ラット (体重270g) を用い, 食物残渣の消化管通過時間を測定した。糞が出始めるまでの時間は, 各群間に, 有意差はなかったが, 出終わるまでの時間は, RCB群32.5時間, WBH群38.9時間, CBH群43.1時間で, DF-free群50.8時間に比し, 有意に短縮さた。糞の水分含量はRCB群はDF-free, CBH, WBHの3群に比し有意に高く, 軟らかく形状も大きかった。CBH, WBHの両群は, DF-free群と変わらなかった。
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