α-アミラーゼによる化工デンプンのin vitroにおける消化性およびラットにおける化工デンプン投与後の血漿グルコース濃度の変動が検討された。化工デンプンとしてデキストリン (CD), 酸化デンプン (PO), アセチル化リン酸架橋デンプン (CA), 4種類のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン (PHP-I, II, CHP-I, II) を用いた。
1) CHP-IIのα-アミラーゼ消化性は他の加工デンプンのそれらに比べ明らかに劣っていた。消化速度はCD>PO>CA>PHP, CHPの順になった。
2) CDを投与したとき, 血漿グルコース濃度は短時間のうちに急激な上昇と急激な低下を示し, この変化はグルコースを投与したときと同様の変化であった。しかし, 他の化工デンプンではそのような急激な上昇と急激な低下を明らかに緩和したが, この差の原因として消化性, 消化速度, 粘度の関与が示唆された。