日本栄養・食糧学会誌
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熱処理により調製したラクトオリゴ糖の生理効果
勝田 康夫植田 由香里内 美津子若林 茂
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1993 年 46 巻 6 号 p. 473-482

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抄録

乳糖を熱処理することにより調製したラクトオリゴ糖 (PL) について消化性, 腸内細菌に対する資化性, ならびにラットへの投与実験を実施し, 以下の成績を得た。
1) PLは唾液および膵アミラーゼ, 小腸粘膜酵素に対して強い抵抗性 (難消化性) を示した。
2) PLはBifidebacterium, Bacteroides属の一部の菌株に資化されたが, Clostridium属やE. coliには資化されなかった。
3) PLの単回投与後の糞便への排泄率は約36%であった。
4) PLの消化管通過時間は7.7時間であった。
5) PL負荷後の血糖値のAUC120は乳糖負荷の約35%と低値であった。
6) コレステロール・胆汁酸無添加飼料による血清コレステロール値の上昇はPL 10%摂取により有意に抑制された。
7) PLの連続摂取はGPT, BUN, TPならびに血液性状に異常を及ぼさなかった。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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