日本栄養・食糧学会誌
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鶏卵脂肪酸組成とα-トコフェロール量に及ぼす飼料中亜麻仁油の影響
鈴木 和彦大森 豊緑岡田 利孝小栗 広青川村 悦春
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1994 年 47 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

採卵用のニワトリDekalb XL-Lの245日齢, 体重1.9kgを用い飼料に亜麻仁油を0, 1, 2, 4, 5.9%添加し, 35日以上飼育の後, 卵黄の脂肪酸組成とビタミンEに及ぼす影響をみた。
1) 飼料中の亜麻仁油を増加させても, 対照群に比べ, 鶏卵重量や卵黄重量には有意な変化はみられなかった。
2) 飼料中の亜麻仁油の割合を増加させても対照群に比べ, 卵黄中の総脂質, 中性脂質, 極性脂質量には変化が認められなかった。
3) 卵黄総脂質中のパルミチン酸やリノール酸 (LA (18: 2, ω6)) はほぼ一定値を保持した。ステアリン酸はやや上昇し, σ-リノレン酸 (LNA (18: 3, ω3)) やエイコサペンタエン酸 (EPA (20: 5, ω3)) は飼料中の亜麻仁油量の増加にほぼ対応して増加した。
4) それに対しオレイン酸は緩やかな減少を示した。ω6系列のアラキドン酸 (AA (20: 4ω6)) は著しく低下し, ドコサヘキサエン酸 (DHA (22: 6, ω3)) は亜麻仁油の1%添加群でほぼプラトーに達しそれ以上添加しても大きな変化はみられなかった。卵黄脂質のω3/ω6系脂肪酸比率は亜麻仁油添加量0, 1, 2, 4, 5.9%に従い, 0.11, 0.31, 0.44, 0.69, 0.92となった。
5) 卵黄中のビタミンE量は亜麻仁油1%添加群で減少傾向をみせ, 2%以上になると有意に減少した。亜麻仁油1%添加群の飼料ω3/ω6脂肪酸比率は, 0.43であった。

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