日本栄養・食糧学会誌
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水耕栽培法を用いたL-アスコルビン酸の葉菜類への導入
井上 興一早田 保義眞部 孝明横田 弘司牧田 勝紘
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1994 年 47 巻 2 号 p. 139-143

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抄録

L-アスコルビン酸 (AsA) 含量の豊富な野菜生産を目的として, 水耕栽培を利用し, 収穫直前に一般の培養液からAsAの高濃度溶液に切り替えることにより, サラダナ・レタスの地上部のAsA含量の増加の有無について検討し, 以下の結果を得た。浸漬処理では, AsAあるいはAsNa 1,000ppm溶液を処理することにより, サラダナ・レタスの地上部のAsA含量が対照区の場合に比べ4倍強となった。吸収されたAsAの大部分は, 地上部に移行・集積することが認められた。また, AsAの導入手法としては, NFT処理より浸漬処理が有効であることが認められた。以上の結果から, 水耕栽培を利用することによってAsAを豊富に含む葉菜類生産の可能性が示された。

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