L-アスコルビン酸 (AsA) 含量の豊富な野菜生産を目的として, 水耕栽培を利用し, 収穫直前に一般の培養液からAsAの高濃度溶液に切り替えることにより, サラダナ・レタスの地上部のAsA含量の増加の有無について検討し, 以下の結果を得た。浸漬処理では, AsAあるいはAsNa 1,000ppm溶液を処理することにより, サラダナ・レタスの地上部のAsA含量が対照区の場合に比べ4倍強となった。吸収されたAsAの大部分は, 地上部に移行・集積することが認められた。また, AsAの導入手法としては, NFT処理より浸漬処理が有効であることが認められた。以上の結果から, 水耕栽培を利用することによってAsAを豊富に含む葉菜類生産の可能性が示された。