日本栄養・食糧学会誌
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ブタプラズマペプチドによるラットの脂質代謝改善機構の検討
辻原 命子谷 由美子
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1994 年 47 巻 4 号 p. 273-277

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抄録

ブタプラズマ利用の拡大の目的でブタプラズマペプチドの脂質代謝系への影響およびその機能発現機構を検討した。
Wistar系雄ラットを飼料窒素源にミルクカゼインを用いたカゼイン食群, カゼインの約半分をブタプラズマペプチドに置換したペプチド置換食群 (ペプチド食群), ペプチドの代りに同組成のアミノ酸混合を用いたペプチドタイプアミノ酸混合食群 (アミノ酸食群) の3群に分け, 2週間飼育した後, 血清および肝臓脂質を測定した。尿中窒素排泄量および糞中コレステロール排泄量は飼育終了3日前にラットを1匹ずつ代謝ケージに移し, 48時間の尿と糞を採取し測定した。
(尿中N排泄量/摂取N量) ×100はカゼイン食群に比べペプチド食群, アミノ酸食群で増加した。血清T-cholはカゼイン食群に比べてペプチド食群は低下傾向を示し, アミノ酸食群は有意に低値を示した。糞中コレステロール排泄量はペプチド食群, アミノ酸食群ともカゼイン食群よりも高値であった。ペプチド食群のTBA価は血清, 肝臓とも低値を示し, アミノ酸食群は, 血清TBA価は低下し, 肝TBA価は増加した。
以上, コレステロール代謝については, ブタプラズマペプチドのアミノ酸組成がその機能性に関与していることが推察されるが, TBA価についてはペプチドの形態が関係していると思われる。

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