日本栄養・食糧学会誌
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仔ラットの肝臓と大脳皮質脂質および脂肪酸組成に及ぼす泌乳期ラットのドコサヘキサエン酸エチルエステル摂取の影響
金沢 文子渡辺 ゆかり杉本 智美城田 由里藤本 健四郎
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1995 年 48 巻 3 号 p. 173-180

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抄録

ウィスター系雌ラットを大豆油を含む飼料で飼育し, 出産後大豆油食とDHAエチルエステル添加食に分けた。
1) 仔ラットの胃から採取した乳汁の22: 6n-3濃度は, 大豆油群では初乳で最大値を示した後にしだいに減少したが, DHA食群ではしだいに増加した。
2) 肝臓トリグリセリドの22: 6n-3濃度は5日齢で最大値 (大豆油食群, 4.5%; DHA食群, 13.1%) を示した。また, 各年齢で, 大豆油食群よりDHA食群の値が高かった。
3) 肝臓リン脂質の22: 6n-3濃度は, 大豆油群では5日齢で最大値を (15.6%), DHA食群では5~20日齢の範囲で高値 (17.4~19.2%) を示した後に減少した。また, 各年齢で大豆油群よりDHA食群の値が高かった。
4) 大脳皮質リン脂質の22: 6n-3濃度は成熟ラットでの値が最も高かった (大豆油食群, 17.8%; DHA食群, 19.7%)。また, 大豆油食群よりDHA食群が高値を示したが, その差は20日齢において最も顕著であった (大豆油食群, 14.1%; DHA食群, 16.7%)。

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