日本栄養・食糧学会誌
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大豆オリゴ糖を発酵原料とした食酢のラット脂質代謝に及ぼす影響
米本 千春香田 祐美子上中居 和男中野 長久
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1995 年 48 巻 6 号 p. 441-449

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抄録

大豆オリゴ糖を発酵原料とした食酢のラット脂質代謝に及ぼす影響について, コレステロール・胆汁酸無添加飼料に粉末化した大豆オリゴ糖酢 (SOV) を添加して検討し, 以下の結果を得た。
1) SOV 15%添加飼料中の含有オリゴ糖成分は約3.3%で, そのうち約64%がマンニノトリオースであった。
2) SOV摂取により血清総コレステロールが低下傾向を示し, 血清中のVLDL-+LDL-Chol (=T-Chol-HDL-Chol) ならびにトリアシルグリセロール値は有意に低値であった。
3) SOV摂取により肝臓コレステロール含量は有意な低下を示したが, 糞中総胆汁酸量には影響が認められなかった。
4) SOV摂取により盲腸内容物中の総短鎖脂肪酸量は有意に高値を示した。
5) 肝臓コレステロール含量と5週目の血清中のVLDL-+LDL-Chol値には有意な相関が得られたが, 盲腸内容物中の総短鎖脂肪酸量と肝臓コレステロール含量ならびに血清中のVLDL-+LDL-Chol値に対する相関性は傾向のみで有意な差は認められなかった。

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