日本栄養・食糧学会誌
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ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットにおける抗酸化的防御機構に及ぼすビタミンEの影響
李 淳宰崔 元慶河 台烈
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1995 年 48 巻 6 号 p. 451-457

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抄録

本実験では, ラットに食餌中ビタミンEを0mg/kg diet (STZ-0 E群), 40mg/kg diet (STZ-40 E), 400mg/kg diet (STZ-400 E) 添加し26日間飼育した後, ストレプトゾトシンで糖尿病を誘発させ, 4日後に解剖し, 生体内抗酸化防御機構に及ぼすビタミンEの影響を調べた。
その結果, 体重増加はSTZ投与前にはSTZ-0 E群のみコントロールに比べ低い値を示したがSTZ投与後にはすべてのSTZ投与群で著しい体重減少が見られた。糖尿病群での血糖値はコントロールに比べ約3倍高く, 糖尿病群の中ではビタミンE投与量の差による影響は見られなかった。血清GOT, GPT活性はSTZ-0 E群およびSTZ-40 E群ではコントロールに比べ増加したがSTZ-400 E群では変化がなかった。肝組織中のXOD活性, SOD活性も血清GOT活性と類似した傾向を示した。肝臓中のGSH-Px活性はSTZ-0E群, STZ-40 E群ではコントロールに比べ著しく減少したがSTZ-400 E群では逆に上昇した。GST活性もGSH-Pxと同様の傾向であった。肝臓中のビタミンE含量はSTZ-0 E, STZ-40 E群ではコントロールに比べ50%, 36%それぞれ大きく低下したがSTZ-400 E群ではコントロールと差がなかった。肝臓中グルタチオン (GSH) 含量はすべての糖尿病群においてコントロール群に比べ減少したが, 酸化型グルタチオン (GSSG) 量は逆に増加した。しかし, ビタミンE大量投与群ではGSH/GSSG比が増加した。脂質過酸化物価 (TBARS) はSTZ-0 E群, STZ-40 E群ではコントロールに比べ有意に高い値を示したがSTZ-400 E群では有意差がなかった。

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