本邦の調製粉乳に含まれているビオチン量を分析した。一般調製粉乳11品目の総ビオチン量は平均1.04±0.36μg/100kcalであり, 特殊 (用途) 調製粉乳23品目は平均0.40±0.39μgであった。これらのビオチン量はAAPおよびFAO/WHOの推奨値 (1.5μg/100kcal) より低い値であった。しかし, これらの原料のビオチン含有量は10.45±5.68μg/100gと高値であった。この結果, わが国ではこれらの調製粉乳を哺乳している人工栄養児のビオチン摂取量は十分でないことが懸念される。今後, 調製粉乳の適切な改良が必要であるとともに, 食品添加物としてのビオチンの重要性を認識すべきである。