1996 年 49 巻 6 号 p. 360-362
生体内におけるα-リノレン酸とリノール酸のエネルギー産生効率を比較するため, 7週齢のSD系雄性ラットを用いて1- [14C] -α-リノレン酸および1- [14C] -リノール酸を静脈内投与し, 呼気中への14CO2排泄量を測定した。
1) 呼気中への14CO2排泄量は, α-リノレン酸がリノール酸に比べて有意に高い値を示した。
2) 投与後の肝および精巣上体脂肪における放射能残存量は, α-リノレン酸がリノール酸に比べて有意に低い値を示した。
以上の結果, 静脈栄養時においてα-リノレン酸は生体内でエネルギー源として利用されやすいことが明らかとなった。