1998 年 51 巻 3 号 p. 129-133
糖尿病に対する, キクラゲの改善作用を明らかにするために, 実験の糖尿病発症ラットを用いて検討した。
糖尿病ラットは, ストレプトゾトシンを出生後2日目に80mg/kg皮下注射して, 作製した。9週齢より基本食に5%キクラゲ粉末を添加した実験食で8週間飼育した。
その結果,
1) 体重増加量, 飼料摂取童および飲水量は正常ラットに比べて差はなかった。
2) キクラゲの投与で空腹時高血糖が有意に低下した。
3) グルコース負荷時の耐糖能の改善がみられた。
4) 食後の血糖の上昇が抑制され, インスリン分泌量が有意に増加した。
以上の結果から, キクラゲに非肥満型のNIDDMにおいて改善効果が認められた。