日本栄養・食糧学会誌
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酵素重量法を修正した簡便な総食物繊維測定法
近藤 義和
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1998 年 51 巻 4 号 p. 183-188

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抄録

DFをAOACの酵素重量法によって測定する場合に, その主要成分であるペクチンの回収率がきわめて低いことを確認したので, その原因を明らかにし, 酵素重量法を修正した簡便な方法を提案した。
1) ペクチンは弱酸性で安定であるが, pH 5以上で加熱すると崩壊した。
2) 食物試料の酵素消化および消化産物の除去によるDFの回収は透析膜を用いる方法を採用した。
3) 食物試料をジメチルスホキシドに加熱溶解し, デンプンを除去するために, 耐熱α-アミラーゼをpH4.7, 70℃で反応させる条件を選択した。グルコアミラーゼ反応は不要であった。
4) タンパクを消化除去するためのプロテアーゼ反応によりペクチンは崩壊し, またタンパク質を完全に除去できず, さらにタンパク質の残存がDF測定値に無関係であったので, プロテアーゼ反応を省略した。
5) DF測定にアミラーゼ反応一段階のみを含む簡便な測定法を提案した。

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