日本栄養・食糧学会誌
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運動強度が女性の運動後余剰酸素消費量 (EPOC) に及ぼす影響
内田 和宏今村 裕行宮本 徳子城田 知子
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1999 年 52 巻 3 号 p. 129-134

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抄録

本研究では, 各被験者の月経周期の時期を統一し, 運動強度が女性のEPOCの量と持続時間に及ぼす影響について検討した。飲酒・喫煙習慣を有さない女性7名を対象とし, 2周期にわたりVO2maxの40%, 50%, 70%の強度で各30分間の運動と, 運動を行わない非運動実験の計4回の実験を行った。VO2, RER, HRは運動後4時間にわたって測定した。EPOCは運動後17.7±11.1分 (40% VO2max), 23.7±8.1分 (50% VO2max), 41.3±22.6分 (70% VO2max) にみられ, それぞれ1,336±838mL (40% VO2max), 2,011±646mL (50% VO2max), 3,564±1,627mL (70% VO2max) で, 運動強度が高くなるにつれてEPOCの量・持続時間およびEPOCに由来する消費エネルギー量は有意に増加した。また70% VO2maxでは運動後30分までRERの有意な低下がみられたことから, この強度での運動後の脂質代謝の亢進が示唆された。

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