日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
イワシタンパク質由来ペプチドならびに Valyl-Tyrosine の降圧作用-高血圧自然発症ラットに対する効果-
関 英治川崎 晃一吉田 真弓筬島 克裕玉屋 圭松井 利郎筬島 豊
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 52 巻 5 号 p. 271-277

詳細
抄録

Y-2, VYおよびMIXのSHRにおける降圧作用を検討した。
単回経口試験では, Y-2を10, 100および1,000mg/kg投与すると, 投与4時間後に投与前に比して血圧が有意に低下した。Y-2の降圧作用は10~1,000mg/kg投与量の範囲では用量依存性を示さなかった。VYを1mg/kgおよび10mg/kg投与すると投与2時間後から血圧は用量依存的な傾向で低下を示し, 投与8時間後にコントロール群に比して, 有意に血圧は低下した。MIXを10mg/kg投与すると投与6時間後に投与前に比して血圧は有意に低下した。心拍数, 体重はすべての投与群でコントロール群に比して有意差はなかった。
連続試験では, Y-2を1,000mg/kg投与すると投与7日後にコントロール群に比して血圧が有意に低下した。VYを10mg/kg投与すると投与4日後に投与前およびコントロール群に比して血圧が有意に低下した。MIXを10mg/kg投与すると投与7日後および10日後にそれぞれコントロール群および投与前に比して血圧が有意に低下した。投与休止5日後もY-2, VYおよびMIXはそれぞれ有意な血圧低下作用を示した。心拍数, 体重はすべての投与群でコントロール群に比して有意差はなかった。
以上, Y-2, VYおよびMIXはSHRにおいて経口投与で降圧作用を示すこと, 連続投与時の降圧作用に耐性を生じないこと, 投与休止後も降圧作用がある程度持続することが明らかとなった。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top