日本栄養・食糧学会誌
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カルノシンおよびトリ胸肉抽出物 (チキンエキス) のマウス遊泳疲労回復力に対する効果
原田 理恵浦島 浩司佐藤 三佳子大森 丘森松 文毅
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2002 年 55 巻 4 号 p. 209-214

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抄録

トリ胸肉より抽出したチキンエキスは, 緩衝作用を有するカルノシンを豊富に含有しており, マウスに長期摂取させることにより遊泳持久力が向上することが確認されている。今回われわれは, チキンエキスおよびカルノシンの水溶液を単回投与した際に運動能力向上効果が認められるか否かを検討した。マウスを疲労困憊するまで遊泳させた直後にチキンエキス, カルノシン溶液および対照として生理的食塩水を投与し15分後に再遊泳させ, 1回目遊泳時間に対する2回目遊泳時間の割合を疲労回復度としたとき, 対照の (56.9±3.4%) と比較して, カルノシン投与時の疲労回復度は有意に高く (79.9±6.4%, p<0.01), チキンエキス投与時にも同様の傾向が認められた (70.9±9.0%, p=0.09)。さらにカルノシン投与時においては, 2回目遊泳開始時および終了時の大腿四頭筋中カルノシン濃度およびpHが対照と比較して高く, 遊泳終了15分後にはどちらも有意に高値を示した (p<0.01)。これらの結果より, カルノシンの単回投与により, 骨格筋中緩衝能が一時的に高められ, 疲労回復効果がもたらされることが示唆された。

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