日本栄養・食糧学会誌
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プルーンダイエタリーファイバー摂取がラットの盲腸内発酵および糞便排泄に及ぼす効果
早川 享志山下 郁中野 培三宅 義明山本 兼史柘植 治人
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2003 年 56 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

プルーンファイバー (PF) 摂取が, 盲腸内発酵および糞便排泄に及ぼす効果についてラットを用いた動物試験により調べた。対照飼料はセルロースパウダー (CP) 3%を含み, 他の実験飼料ではさらに食物繊維 (DF) 5%相当を追加した (PF, アップルファイバー: AF, CP+P: PFの不溶性DFをCP, 水溶性DFをペクチンとしてPFのDF組成に似せたもの)。これらの飼料を, ラットに4週間投与した。PF群での盲腸内の短鎖脂肪酸濃度に有意な上昇はなかったが, 盲腸あたりの含量では, 有意に上昇した。盲腸内容物pHは, 低下がみられたが有意ではなかった。糞の排泄量は各DF添加群において有意な増加が認められた。新鮮糞の水分含量は, PF群においてのみ有意に高くなった。こうしたPFの特性は, サプリメントとして摂取したときに期待されている排便促進効果を説明するものと考えられた。

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