日本栄養・食糧学会誌
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インスリーナ葉抽出物のα-グルコシダーゼ阻害能の比較
西川 泰樫内 賀子高田 曜子上中居 和男堀名 恵美松浦 寿喜
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2003 年 56 巻 6 号 p. 375-378

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抄録
熱帯アメリカ・ブラジルが原産で, 民間療法として糖尿病や高血圧症に利用されるインスリーナ (学名: Cissus sicyoides L.) の血糖上昇抑制作用を増強させる調製法を, α-グルコシダーゼ (EC3.2.1.20) 阻害活性を指標として検討した。乾燥インスリーナおよび焙煎インスリーナを4, 80, 120℃の蒸留水で抽出した液を比較すると, 抽出温度を高くすることにより活性の上昇が認められた。また, 焙煎処理はさらに活性を高めた。さらに, ラット門脈カテーテル法を用いて, スクロースに対する消化吸収阻害効果の持続時間を測定し, その効力を比較した。その結果, 焙煎をし120℃20分間抽出した抽出液は, 未焙煎葉を80℃で30分間抽出した抽出液に比べ, 門脈血中グルコース濃度をより低下させた。これらのことから, 糖尿病予防に有用なインスリーナのα-グルコシダーゼ阻害活性上昇の要因は焙煎および加熱であることが示唆された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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