日本栄養・食糧学会誌
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スンクス (Suncus murinus) における体成分の日齢間ならびに雌雄間比較
山中 聖敬松崎 哲也齊藤 宗雄
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2004 年 57 巻 3 号 p. 153-160

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抄録

食虫目トガリネズミ科ジャコウネズミ (Suncus murinus)-以下, スンクス-のメス, オスの0日齢から90日齢にかけての体重, 体長, 尾長, 総体窒素 (N) 量, 体内におけるNの分布を, 3, 6, 12カ月齢スンクスのメス, オスでは屠体の水分, 粗タンパク質, 粗脂肪, 灰分量を測定した。0日齢から90日齢スンクスの殺処分直後の体重, 体長, 尾長, 1匹当たりならびに体重100g当たりの体N量 (屠体全体の) は加齢に伴って増加しオスが高値であった。たとえば, 70日齢メスの1匹当たりの体N量は約1,100mg, オスでは約2,100mgであった。体内におけるNの分布では, 0日齢スンクスの内容物も含む胃のN量が, メス, オスともに著しく高値 (12-14mgN/100mg体N) であったが, 加齢に伴って減少し, 20日齢以降は2mg前後とほぼプラトーになった。小腸+大腸, 肝臓, 腎臓へのN分布では加齢に伴う変化はなく, 3者ともメスがオスよりも高値であった。3, 6, 12カ月齢スンクスの殺処分直後の体重, 体長, 尾長, 1匹当たり並びに体重100g当たりの体Nと粗タンパク質量はオスが高値であったが, 屠体水分, 粗脂肪, 灰分には月齢差, 性差とも認められなかった。

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