2024 年 20 巻 1 号 p. 11-19
目的:入院患者が治療方針を決定する場面における診療看護師(NP)の意思決定支援を明らかにする.
対象と方法:研究対象者は,病棟での実務経験が2年以上の診療看護師(NP)とした.研究協力に同意の得られた6名の診療看護師(NP)に半構造化面接法を実施し,その内容を質的記述的に分析した.
結果:【患者-診療看護師(NP)の関係を構築し,患者の希望を引き出す】【家族-診療看護師(NP)の関係を構築し,患者と家族双方の希望を通わせる】【意思決定に支障をきたす患者の身体的状態を洗い出し,主体的に介入する】【患者の希望に応えられるように医療チームを最適化する】の4つのカテゴリーが抽出された.
考察:診療看護師(NP)の意思決定支援は,医師と協働しながら症状マネジメントを主体的に行うという役割や,自身の業務のタイムマネジメントが可能という看護師とは異なる働き方において独自性を有することが考えられた.