2024 年 20 巻 1 号 p. 20-24
目的:老年看護学実習経験の相違による看護学生の老年観の特徴を明らかにする.
対象と方法:本校2年生74名の実習記録「私の老年観」のレポートを臨地実習と学内実習の経験差による相違群別にテキストマイニングで分析した.
結果:「老年」を関連語とした共起ネットワークは,臨地実習経験群では「尊重」「生活」「感じる」「理解」,学内実習経験群では「身体」「加齢」「強み」が抽出された.各群を外部変数とした共起ネットワークは,臨地実習経験群では「思い」「個別」「様々」「安全」「家族」,学内実習経験群では「変化」「疾患」「強み」「認知」「低下」などが抽出された.
考察:臨地実習経験群は,患者の生活や人生史を尊重し,家族を含めた安全な看護を提供することが大切であるという老年観であった.学内実習経験群は,紙上事例の情報や演習時の模擬患者の反応から,加齢や健康障害による身体的変化を捉えた老年観であった.