神経治療学
Online ISSN : 2189-7824
Print ISSN : 0916-8443
ISSN-L : 2189-7824
原著
筋萎縮性側索硬化症に対する横隔膜ペーシング  ―安全性と有効性の長期評価―
伊藤 恒大嵩 紗苗福武 滋高力 俊策河内 順亀井 徹正
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 34 巻 2 号 p. 121-124

詳細
抄録

NeuRx Diaphragm Pacing System(NeuRx DPS®)による横隔膜ペーシングを導入した気管切開下人工換気導入前の筋萎縮性側索硬化症患者5例について,24か月間の経過を検討した.有害事象として電気刺激による不快感・疼痛(5例),電極貫通部位の局所感染(2例),体外ケーブルの破損(3例)などが生じたが,後遺障害や刺激の中断を認めなかった.bi–level positive airway pressure(BIPAP)を併用しなかった2例が誤嚥性肺炎と慢性呼吸不全にてそれぞれ死亡した.BIPAPを併用した3例については1例が誤嚥を契機に気管切開下人工換気に移行したものの,2例は気管切開下人工換気を行わずに経過した.NeuRx DPS®の有効性については一定の結果が得られておらず,適応や刺激条件についてさらに検討する必要がある.

著者関連情報
© 2017 日本神経治療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top