言語優位半球の判定は, 脳外科手術の術前計画や, 高次脳機能に関する研究において, 非常に重要な指標のひとつである. 従来はWada-testによる手法が用いられてきたが, 被験者に対する侵襲性等の理由から, 同手法に代わる簡便な手法が求められてきた. そこで, 本研究では小規模で非侵襲的な計測法である近赤外線分光法に基づく脳機能計測システムを用いた, 簡便な言語優位半球判定システムを提案する. 本提案法においては, 同計測システムでの計測点が言語野上に設置された度合いを示すファジィ所属度を導入することで, 計測位置のずれに対し, 高い精度, 再現性を有する手法を実現する. 本提案システムは, 14名の健常被験者に対し適用することで, 有効性を示した.