知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
ISSN-L : 1347-7986
ショートノート
交通渋滞解消のための大域的及び局所的最適化経路選択手法の性能比較
大原 健能島 裕介石渕 久生
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 18 巻 6 号 p. 867-873

詳細
抄録

本研究では, 道路状況が動的に変化するために, 道路利用者が経路選択を行う時に個々の経路の走行時間に関する情報が利用可能でないような交通流モデルを考える. このような交通流モデルに対して, 全走行車両の平均走行時間を最小にするために, 2種類の経路選択手法の性能を比較する. 一つは, 大域的に平均走行時間の最小化を行う手法である. この手法では, 全走行車両の経路選択を中央管理者が決定する. 走行車両台数が多い場合では, 走行車両に対する経路選択の組合せ総数が大きくなり, 最適解を求めることが困難になる. そこで本論文では, 遺伝的アルゴリズムを用いることで効率的に近似最適解を求めることにする. もう一つの手法は, 個々の車両ごとに局所的に走行時間の最小化を行う手法である. この手法では, 各車両は, 予測走行時間の短い経路を選択する. 本論文では, ニューラルネットワークを用いて走行時間の予測を行う. 数値実験により, 2種類の経路選択手法を比較し, 各々の手法の特徴を明らかにする.

著者関連情報
© 2006 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top