本研究では,実現が期待されているシジミ自動選別装置の開発に向けて,シジミ貝をぶつけた際に発生する音響信号に基づく不良シジミ貝の判別に関して検討を行った.具体的には,音響信号を周波数解析した後,特徴ベクトルを抽出し,各種のパターン認識手法を用いて不良シジミ貝の判別を行い,判別精度を比較評価した.パターン認識手法として,決定木学習,k-最近傍識別法,多層ニューラルネットワーク,サポートベクターマシンを取り上げ,それぞれについて同様の判別実験を行い,判別精度の比較検討を行った.その結果,多層ニューラルネットワークによる手法が他の手法に比べて最も優れており,約 95%の判別精度が得られた.次いで,サポートベクターマシン,k-最近傍識別法,決定木学習の順で判別精度が高く,いずれの手法においても一定の有効性を確認することができた.