知能と情報
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原著論文
擬人化した物体からの情報提示手法のための後付け可能な指示区画検知センサの開発
大澤 博隆野田 誠人大村 廉今井 倫太
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2009 年 21 巻 1 号 p. 12-23

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抄録

本研究では,物体に対し擬人的な入出力デバイスを取り付け,物体全体を擬人化し,物体に直接ふれ合いながら情報提示を行なう直接擬人化手法を提案する.このため我々は,対象となる物体に対し,後から検知領域の側面に取り付ける事で,物体の表面に仮想的な接触検知領域を実装する「指示区画検知センサ」を開発した.指示区画検知センサは検知領域の側面に取り付けて二次元平面を検知する事が可能であり,簡易に取り付け可能で,物体の要素を隠さず,人間の手の接触のみに反応した応答が可能となる.本研究では,指示区画検知センサの精度改善のため,ビタビアルゴリズムを用いたユーザの手の指示位置を推定する手法を考案した.これにより,センサから40cmの二次元検知領域内に侵入した人間の手を,平均して80%の精度で検知する事が可能となった.さらに,開発した指示区画検知センサを他の擬人化パーツと連携させ,物体を擬人化した機能説明をおこなった.その結果,直接擬人化手法による情報提示が円滑に行なわれる事が確認できた.

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© 2009 日本知能情報ファジィ学会
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