2009 年 21 巻 6 号 p. 995-1007
大量データを分析し,人々の意思決定を支援することの必要性が高まっており,データマイニング技術とソフトコンピューティング技術の融合が進んでいる.本傾向は今後益々進むものと考えられ,研究活動が活発化すると考えられる.本論文では,ソフトコンピューティング技術に関する代表的な国際会議のひとつであるFUZZ-IEEEを対象として,本会議におけるデータマイニング技術の研究動向を調査し,理論的な側面から応用的な側面にいたるまでの,本分野における現状を把握する.また,これら結果を踏まえた上で,精力的な研究が行われているファジィ相関ルールの発見に焦点をあてて,複雑な構造を持ったデータや主観的なデータからのファジィ相関ルールの発見,ファジィ集合の特性を生かしたファジィ相関ルールの発見法の改善といった,研究の方向性を明らかにする.