抄録
本論文では,誰もが地域に関する情報を書き込み,他者と共有することができる「らくがきマップ」を呼ぶ地図型コミュニケーションツールを提案した.らくがきマップに対する住民の反応およびらくがきマップを介したコミュケーションや意識変化に関する示唆を得るために3つの実証実験を行った.らくがきマップの形跡調査,参加者の行動観察やインタビュー,アンケート調査の結果,らくがきマップは小学生から高齢者まで世代を超えた幅広い年代に利用され,住民の地域情報の発信・共有のニーズが十分にあることを明らかにした.また,住民の書き込みによってらくがきマップが作られるという住民主導型の参加スタイルが,住民に自らのまち情報を振り返るきっかけを与えたり,地域への愛着を高めることを示した.