本研究の目的は,形状集合を取り扱う形状空間法を理論的に確立し,さらに形状のトポロジーに関する事前知識がない場合でも形状空間が推定可能なアルゴリズムを開発することである.この目的を実現するため,まず形状集合の確率的生成モデルを多様体を用いて構築した.次にトポロジー制約のない自己組織化マップTFSOM を開発し,これを高階SOM に組み込んだTFSOM × SOM を作った.さらに形状の非均一な伸縮にも対応できるようにアルゴリズムを拡張した.提案手法を手書き数字識別に応用したところ,10人分の手書き数字を学習させるだけで1000人分の手書き数字を95%の精度で識別できた.本手法は線画に特化したものではないため,フォルムのデザイン分析などさまざまな形状に応用が可能である.本提案手法は形状集合を扱う汎用的な手法を提供する.