知能と情報
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原著論文
ニューロファジィ推論を領域拡張条件に用いた大動脈瘤領域の抽出
徳安 達士利光 和彦
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2013 年 25 巻 3 号 p. 721-729

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抄録

胸部大動脈瘤患者の診断には,胸腹部の造影 CT(CTA)画像から構築された3次元血管画像が用いられる. CTA 画像では,血中の造影剤が高輝度で表示されるので,閾値による画素判別により血流領域を抽出し,3次元血管画像に描出することは容易に可能である.しかし,大動脈瘤である,血栓のできた大動脈壁の内部には造影剤が浸透しにくいので,大動脈瘤と周辺組織とで濃度分布が重なった領域から,閾値による画素判別により大動脈瘤領域のみを抽出することは困難である.そこで本研究では,領域拡張法による領域抽出を基本として,拡張条件部に放射線技師の読影経験則を表現したニューロファジィ推論を搭載し,その非線形関数による画素判別を行うことによる大動脈瘤領域の抽出を試みる.提案手法を弓部大動脈瘤症例の CTA画像に適用したところ,描出された大動脈瘤および血管組織領域を十分に認識できることが確認された.

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© 2013 日本知能情報ファジィ学会
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