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NFV(Network Function Virtualization)
植田 和憲
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2014 年 26 巻 1 号 p. 25

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抄録

NFV( Network Function Virtualization) とは,これまで専用のハードウェアやアプライアンスによって提供されてきたネットワーク機能を汎用のハードウェア上のソフトウェアによって仮想的に提供することである.ハードウェアとして汎用のサーバやスイッチを用い,各種ゲートウェイなどのネットワーク機能をソフトウェアによって提供する.提供されるネットワーク機能はハードウェアに依存しないため,コストの削減,新しいネットワーク機能の導入や入れ替えなどの容易さ,モジュール化による構成の柔軟性,新しいベンダの参入が比較的容易,などのメリットがある.NFV に関する技術文書は欧州電気通信標準化機構 (European TelecommunicationsStandards Institute, ETSI) のウェブサイトで公開されており,ユースケースや全体アーキテクチャなどについての情報を入手することができる.

NFV に近い概念として SDN( Software Defined Networking) がある.SDN では,物理ネットワーク上に仮想ネットワークを構築し,ルーティングなどの制御を行うコントロールプレーンとデータの転送を行うデータプレーンを分離して管理する.NFV と SDN はともに仮想化技術をネットワーク上のノードに適用したもので親和性が高く,今後 NFV によって提供されるネットワーク機能を SDN 上で 管理するといったケースが出てくるものと考えられる.

NFV の普及によってネットワーク機能の多様化やカスタマイズ化が進むことによって,これまでに比べさまざまな特性を持った知的なネットワーク機能が提供されるようになることが期待される.

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© 2014 日本知能情報ファジィ学会
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