2016 年 28 巻 1 号 p. 511-521
ドラム演奏の模倣学習として3D人体モデルを用いたアニメーション教材を利用する方法が提案されている.本研究では,まず手本教示者像の視点と学習者の視点が一致する主観視点の3Dアニメーション教材を利用した学習支援手法の提案を行う.提案手法による学習を質問紙および模倣演奏の分析により評価を行った結果,熟練者の演奏を後背から閲覧した場合と比較して,学習後の自己効力感の向上や演奏に対する自己評価の向上,および学習後の演奏エラーの減少が認められた.さらに,主観視点3Dアニメーションにおける熟練者の視線情報を提示する学習支援手法を提案する.学習効果を調査するために,視線情報を提示する提案手法と視線情報を提示しないアニメーションによる学習を比較した結果,提案手法では,学習による自己効力感の向上,演奏に対する自己評価,また演奏エラーの減少が認められた.