2016 年 28 巻 3 号 p. 627-638
本研究では,距離画像センサを用いたジェスチャ認識を対象として,構造化学習に基づく進化型ファジィニューラルネットワークを提案する.構造化学習では,学習構造を様々な機能をもった学習モジュールから構成し,それぞれの学習モジュールが相互依存的に状態推定の評価や学習をおこないながら,汎化性を維持しつつ,各学習モジュールの状態に合わせた学習構造の最適化がおこなわれる.本提案手法では,ファジィメンバーシップ関数を用いた特徴抽出,ニューラルネットワークを用いた識別器から構成される学習システムを用いる.さらに,前処理,特徴抽出に基づき単に入出力関係を学習するのではなく,学習により出力される推定結果から,進化計算を適用することで,適応的に前処理や特徴抽出におけるパラメタ調整が可能な構造化手法を扱う.