2016 年 28 巻 3 号 p. 685-691
オノマトペは感覚的な表現であるがゆえに,これらに関する情報は多次元データとして扱われることが多い.こうした中で,これらを低次元空間へマッピングすることによる可視化を通じた分析が近年盛んに行われている.本研究では,データの可視化において広く用いられている自己組織化マップを用いてオノマトペを含む文書データを分析する.さらに,感情極性値の情報を定量化し,印象に関する曖昧さを2次元マップ上に付与する.Twitter上の言語資源を対象とした可視化分析を通じて提案する分析方法の動作を確認した.この結果より,単純に低次元マッピングしただけでは解釈しにくい印象に関するオノマトペの性質を可視化することができた.提案する分析方法は感覚的な表現であるオノマトペの性質の理解を支援するツールとして有用であると考える.