知能と情報
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実践研究論文
フィルム荷重センサによる睡眠を見守るヒューマンセンシング
間所 洋和下井 信浩佐藤 和人徐 粒
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2016 年 28 巻 6 号 p. 963-973

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抄録

本論文では,ベッドに後付け可能な新しい離床センサを提案する.ピエゾフィルムを用いて試作した本センサは,動作用の電源を必要としない小型で薄型のセンサである.ベッドフレームに取り付けるため,不可視センサとして,プライバシに配慮している.また,モニタリング及び判定のための専用の計測システムを開発した.試作したセンサの出力特性を評価する荷重試験では,荷重と出力との間に線形性を確認するとともに,同じ荷重を加えた場合,試験機の入力速度によって出力値が変化する特性を得た.また,センサの方向依存性として,方向による出力差が最大3倍になるという試験結果が得られた.評価実験では,被験者10名を対象として,本センサの性能を評価した.機械学習法に基づく判定法による交差検定の結果,長座位,短座位,端座位,離床の4パターンに対して,92.1%の判定率が得られた.姿勢別では,短座位が100%,端座位と長座位は98.3%と91.7%の判定率が得られたものの,離床に関しては78.3%の精度に留まった.混同対照表を用いて誤判定を分析したところ,端座位と短座位に分布していることが判明した.

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© 2016 日本知能情報ファジィ学会
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